生成AIで作った画像をブログに使うこと自体は、多くの場合できます。ただし、①使ったサービスの利用規約で認められているか、②既存の作品に似ていないか、③読者に誤解を与えない使い方か、の3点は自分で確認する必要があります。
この記事では、Googleの利用規約と、文化庁の文化審議会著作権分科会法制度小委員会がまとめた「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)をもとに、確認のしかたを整理します。法律の判断は個別の事情によって変わるため、ここで紹介するのは一般的な考え方です。仕事などで迷う場合は、専門家に相談してください。
確認1:サービスの利用規約
画像を作ったAIサービスの利用規約で、次の点を確認します。
- 生成した画像の権利は誰のものか
- ブログや商用での利用が認められているか
- 禁止されている使い方は何か
たとえばGoogleの利用規約(2026年7月30日発効)では、ユーザーのコンテンツはユーザーに帰属するとしています。一方で、生成AIのコンテンツを人間が作ったものだと誤解させる行為は、不正な利用として禁止されています。また、別に定められた「生成AIの使用禁止に関するポリシー」では、他人の知的財産権を侵害する使い方や、生成したコンテンツを人間だけが作ったと偽ることが禁止事項として挙げられています。
規約の内容はサービスごと、また無料版と有料版、個人向けと法人向けで違うことがあります。そして規約は変わることがあります。使うたびに、そのサービスの最新の規約を確認するのが基本です。
確認2:既存の作品に似ていないか
文化庁の資料では、AIが生成した画像を使う場合も、人がAIを使わずに作った場合と同じように、既存の著作物との「類似性」と「依拠性」の両方が認められれば著作権侵害になりうる、と整理されています。
| 考え方 | 意味 | 資料で示されている例 |
|---|---|---|
| 類似性 | 既存の作品の表現上の本質的な特徴が感じ取れるほど似ているか | 作風や画風といったアイデアが似ているだけで、類似性が認められない生成物は、著作権侵害にはならない |
| 依拠性 | 既存の作品をもとにして作ったか | 既存の作品の画像をAIに入力した場合や、作品名などの固有名詞を指示に入れた場合は、依拠性が認められると考えられる |
つまり、特定の作品やキャラクターに似せようとして作った画像は、特に注意が必要です。また、資料では、利用者が知らない作品に似たものが生成される場合も想定されていて、その場合の考え方も整理されています。生成した画像が、知っている作品やキャラクターに似ていないかは、公開前に見直しましょう。
避けたい作り方の例
- 既存のイラストや写真をそのまま入力して、似た画像を作る
- 作品名やキャラクター名を指示に入れて、似た画像を作る
- できた画像が特定の作品に似ていると気づいたのに、そのまま使う
確認3:読者に誤解を与えないか
生成した画像を、実物の写真のように見せる使い方は避けましょう。たとえば、次のような使い方です。
- 実在する商品の「写真」として、生成した画像を載せる
- 実在の人物を描いた画像を、本物の写真のように見せる
- 生成した画像であることを隠して、人が作ったように見せる
先に紹介したGoogleの規約でも、生成AIのコンテンツを人が作ったものだと誤解させることは禁止されています。ブログで使うときは、画像の説明(alt属性やキャプション)に「イメージ」「AIで生成した画像」などと書いておくと、読者に誤解を与えにくくなります。OCHA NOTEでも、生成した画像はアイキャッチやイメージ図などに限り、説明文に「イメージ」と入れるようにしています。
AIの生成物に目印を付ける取り組みについては、OpenAIがAI文章の透かし導入方針を発表。日本で何が変わるかでも紹介しています。
生成した画像に著作権はある?
文化庁の資料では、AIが生成したものが著作物になるかは、個別の事例ごとに判断されるとしています。AIへの指示がアイデアにとどまる場合は著作物とは認められないと考えられる一方で、次のような要素が考慮されるとしています。
- 創作的な表現を具体的に示す、詳しい指示をしたか
- 生成物を見て指示を直しながら、試行を重ねたか
- 生成した画像に、人が創作的な加筆・修正を加えたか
逆にいうと、短い指示で生成しただけの画像は、自分の著作物として守られない場合もあります。他の人に使われても、著作権を主張できるとは限らない点も知っておきましょう。
公開前のチェックリスト
使ったサービスの利用規約で、ブログでの利用が認められている?
- わからない・認められていない → 規約を確認するまで使わない。
- 認められている → 次へ。
既存の作品・キャラクター・実在の人物や商品に似せていない?
- 似せた・似ている → 使わない。作り直す。
- 似せていない → 次へ。
実物の写真のように見せる使い方になっていない?
- なっている → 説明に「イメージ」と書く、または使う場所を見直す。
- なっていない → 説明文(alt)を付けて公開。
よくある疑問
無料版で作った画像もブログに使える?
サービスによって違います。無料版と有料版で規約の扱いが違うこともあるため、使ったプランの規約を確認しましょう。生成AIの各サービスの有料プランについては大学生におすすめの生成AIはどれ?ChatGPT・Gemini・Claudeの有料プランを比較で紹介しています。
「〇〇風」の画像は大丈夫?
文化庁の資料では、作風や画風といったアイデアが似ているにとどまり、既存の作品との類似性が認められない生成物は、著作権侵害にはならないとしています。ただし、特定の作品の表現の特徴が感じ取れるほど似ている場合は別です。作品名やキャラクター名を指示に入れて作るのは避けたほうが安心です。
文化庁の資料は法律?
いいえ。資料の冒頭で、法的な拘束力を持つものではなく、公表時点の考え方を示したものだと説明されています。今後の裁判例などによって見直される可能性もあります。
参照情報
以下はいずれも2026年10月16日確認。
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月15日)
- 文化庁「AIと著作権について」
- Google「利用規約」(2026年7月30日発効)
- Google「生成 AI の使用禁止に関するポリシー」(2024年12月17日更新)
