スマホやノートPCの充電器を海外で使えるかどうかは、充電器本体の「入力(INPUT)」の表示を見ればわかります。表示されている電圧の範囲に渡航先の電圧が入っていれば、電圧を変える変圧器はいりません。その場合に必要なのは、コンセントの形に合わせる変換プラグだけです。

ただし、表示の範囲に入っていても、メーカーが海外での使用を保証していない製品もあります。この記事では、確認の順番と、変換プラグ・変圧器の違い、注意点を整理します。

日本の電源はどうなっている?

まず、日本のコンセントの電気を確認しておきましょう。高エネルギー加速器研究機構(KEK)の案内では、日本の電圧は100V、周波数は東日本(東京・東北・北海道など)が50Hz、西日本(名古屋・大阪・福岡など)が60Hzです。コンセントは2ピンで、北米と同じ形とされています。

海外では電圧やコンセントの形が日本と違う国・地域があるため、日本で使っている充電器や家電をそのまま挿してよいかを確認する必要があります。

確認1:充電器の「入力」表示を見る

充電器の本体には、小さな文字で定格(電気的な仕様)が書かれています。そのうち「入力」または「INPUT」の欄を見ます。

表示の例 意味 海外で使うには
入力 100-240V〜 50/60Hz 100Vから240Vまでの電圧、50Hz・60Hzの両方に対応 渡航先の電圧がこの範囲内なら、変換プラグだけで使える可能性が高い
入力 100V〜 50/60Hz 100V専用 100Vより高い電圧の国では、そのまま挿さない。変圧器が必要

「出力(OUTPUT)」の欄は、充電器からスマホなどへ送る電気の情報です。海外で使えるかどうかを見るのは、入力の欄です。

渡航先の電圧は、国や地域によって違います。旅行の前に、航空会社・旅行会社・宿泊先の案内などで確認しておきましょう。

確認2:コンセントの形に合う変換プラグを用意する

電圧が合っていても、プラグがコンセントに入らなければ使えません。コンセントの形は国・地域によって違います。

たとえばAppleの「ワールドトラベルアダプタキット」には、次の地域向けのプラグが入っています(Appleサポートの説明より)。

  • 日本および北米:平ピン平行(穴あり)タイプ
  • 中国本土:平ピン平行(穴なし)タイプ
  • ヨーロッパ大陸:丸ピン(薄)タイプ
  • 韓国:丸ピン(厚)タイプ
  • ブラジル:丸ピン(薄)タイプ
  • オーストラリアおよびニュージーランド:平ピンハの字タイプ
  • 香港、カタール、アイルランド共和国、シンガポール、英国:平ピン三つ又タイプ

このように、同じ「丸ピン」でも太さが違ったり、ピンが3本だったりします。渡航先のコンセントの形を調べてから、合う変換プラグを用意しましょう。

変換プラグと変圧器の違い

変換プラグ 変圧器
役割 プラグの形だけを合わせる 電気の電圧を変える
電圧 変わらない 変わる(例:240Vを100Vに下げる)
必要になる場面 入力表示が渡航先の電圧に対応している充電器を使うとき 100V専用の製品を、電圧の高い国で使うとき

いちばん大事なのは、変換プラグでは電圧は変わらないという点です。100V専用の製品に変換プラグだけを付けて、電圧の高いコンセントに挿すのは避けましょう。

確認の順番

海外で充電器を使えるかの確認
  1. 充電器の「入力」表示に、渡航先の電圧が含まれている?(例:100-240V)

    • 含まれていない(100V専用など) → そのまま使わない。対応した充電器を用意するか、変圧器を検討する。
    • 含まれている → 次へ。
  2. プラグが渡航先のコンセントの形に合う?

    • 合わない → 変換プラグを用意する。
    • 合う → そのまま使える。ただしメーカーの注意書きも確認する。

気をつけたいこと

表示が対応していても、保証外のことがある

サンワサプライのよくある質問では、付属のACアダプターは100V-240Vに対応しているものの、国内での使用を想定した製品のため、海外での動作は保証できない、と回答しています。入力表示とあわせて、メーカーの取扱説明書やよくある質問で、海外での使用について書かれていないかを確認しておきましょう。

電気の品質にも注意

Appleサポートでは、旅行先の電力事情がデバイスの許容範囲内とされている場合でも、電力品質が仕様を満たしているかを確認するよう案内しています。急激な電流・電圧の変化や電圧低下で、電子機器が損傷を受ける場合があるとしています。

充電器以外の家電も入力を確認

ドライヤーやヘアアイロンなど、充電器以外の家電も同じように入力表示を確認します。入力が100Vだけの製品もあるので、充電器と同じ感覚で挿さないようにしましょう。

荷物はまとめて減らす

海外旅行では、充電器が増えるほど変換プラグも増えます。スマホとノートPCを1台の充電器でまとめられれば、変換プラグも1つで済みます。荷物を減らす考え方は旅行の充電セット|充電器・ケーブルを減らす順番、小型の充電器については充電器の「GaN(窒化ガリウム)」とは?小型化の理由と選ぶときの注意で紹介しています。モバイルバッテリーを持っていく場合は、航空会社の持ち込みルールも確認が必要です。容量や出力の見方はモバイルバッテリーの選び方|容量より先に見ることへ。

よくある疑問

周波数(50Hz・60Hz)は気にしなくていい?

入力表示に「50/60Hz」と書かれていれば、どちらの周波数にも対応しています。どちらか一方だけの表示の場合は、渡航先の周波数も確認しましょう。

「マルチ変換プラグ」は電圧も変えてくれる?

形を変えるだけの製品なら、電圧は変わりません。製品の説明で「変換プラグ」なのか「変圧器」なのかを確認しましょう。

参照情報

以下はいずれも2026年10月17日確認。