生成AIに思ったとおりの答えを出してもらうコツは、人に仕事を頼むときと同じように、目的・背景・ほしい形を具体的に伝えることです。「いい感じにまとめて」のようなあいまいな頼み方より、「誰に向けて、何のために、どんな形で」を書いたほうが、やり直しが少なくなります。
この記事では、AIを提供するAnthropic(Claude)とGoogle(Gemini)の公式ガイドに共通する考え方を、5つの基本にまとめます。ChatGPTなど、ほかの生成AIを使うときにも応用できます。
基本の考え方:「事情を知らない新人」に頼むつもりで
Anthropicのガイドでは、AIのことを「とても優秀だけれど、あなたのやり方や事情をまだ知らない新入社員」と考えるよう勧めています。そして、書いた指示を、その作業をよく知らない同僚に見せて、迷わずに取りかかれるかを確かめるとよい、という目安を紹介しています。同僚が迷うなら、AIも迷うということです。
Googleのガイドでも、モデルの答えを思いどおりにする効果的な方法として、明確で具体的な指示を挙げています。
基本1:やってほしいことを具体的に書く
まず、何をしてほしいのかをはっきり書きます。
| あいまいな頼み方 | 具体的な頼み方 |
|---|---|
| この文章をまとめて | この文章を、授業を欠席した友人に伝えるために、300字くらいの箇条書きにまとめて |
| メールを書いて | ゼミの先生に、課題の提出が1日遅れることを伝えるメールを書いて。理由は体調不良。丁寧だけど長すぎない文面で |
(例はこの記事で作ったものです)
「誰に向けて」「何のために」「どのくらいの長さで」を加えるだけでも、答えが変わります。
基本2:背景や理由を伝える
Anthropicのガイドでは、指示の背景や理由を伝えると、AIが目的を理解しやすくなり、より目的に合った答えを返せると説明しています。ガイドでは例として、「…(三点リーダー)を使わないで」とだけ書くより、「回答は音声読み上げで読まれるので、読み上げられない三点リーダーは使わないで」と理由を添えるほうが効果的だと紹介しています。
Googleのガイドでも、背景の情報を加えると、モデルが依頼の条件や細かい点を理解しやすくなるとしています。
たとえば、レポートの構成を相談するなら、「どの授業の、どんな課題で、何字くらいか」を最初に伝えておくと、答えが的外れになりにくくなります。
基本3:答えの形を指定する
表、箇条書き、文章など、どんな形で答えてほしいかを指定できます。Googleのガイドでは、答えの形式を指定する指示を出せると説明していて、Anthropicのガイドでも、ほしい出力の形式や条件を具体的に書くよう勧めています。
- 「表で、左の列に項目、右の列に説明を」
- 「3つの案を、それぞれ1行で」
- 「結論を先に、そのあと理由を3つ」
基本4:例を見せる
ほしい答えの「見本」を見せるのも効果的です。Anthropicのガイドでは、例を示すことは、答えの形式・口調・構成を思いどおりにする最も確実な方法の一つだとしています。Googleのガイドも、指示の中に例を含めることを勧めています。
たとえば、「この調子で、ほかの3つの商品説明も書いて」と、1つ目を自分で書いて見せると、文体や長さがそろいやすくなります。
基本5:手順を分ける・順番を書く
複雑な頼みごとは、一度に全部頼まずに、分けて頼むと進めやすくなります。Googleのガイドでは、複雑な作業は、手順ごとにプロンプトを分けて順番につなぐ方法を紹介しています。Anthropicのガイドでも、手順の順番や抜けがないことが大事なときは、番号付きのリストや箇条書きで指示するよう勧めています。
レポートなら、①テーマを決める → ②構成を考える → ③各章のポイントを整理する、と段階ごとに頼むと、途中で方向を直しやすくなります。
指示を書くときのチェックリスト
何をしてほしいか、一文で言える?
- 言えない → まず目的を一文で書く(例:○○を△△のために□□してほしい)。
- 言える → 次へ。
背景(誰に・何のために)と、ほしい形(長さ・形式)を書いた?
- 書いていない → 足す。見本があれば一緒に貼る。
- 書いた → 送ってみて、ずれた部分だけ追加で指示する。
Googleの「Gemini」アプリのヘルプでも、指示を考えるときの観点として、ペルソナ(担ってほしい役割)・タスク(してほしいこと)・コンテキスト(背景)・形式の4つが挙げられています。4つすべてを入れる必要はなく、いくつかに触れるだけでも効果があるとされています。
気をつけたいこと
- 答えをそのまま信じない:AIの答えには誤りが含まれることがあります。事実や数字は、元の資料や公式の情報で確かめましょう
- 入力する情報に注意する:個人情報や、授業・仕事の決まりで外に出してはいけない情報は入力しないようにしましょう。学校や職場のルールも確認が必要です
- 画像を作るときも同じ:生成AIで作った画像を使うときの注意は生成AIの画像はブログに使える?利用規約と注意点の確認方法で紹介しています
どの生成AIを使うか迷っている場合は大学生におすすめの生成AIはどれ?ChatGPT・Gemini・Claudeの有料プランを比較へ。プログラミングでAIを使うならClaude Codeとは?できること・必要なプラン・始め方も参考になります。
参照情報
以下はいずれも2026年10月19日確認。
- Anthropic「Prompting best practices」(英語)
- Google AI for Developers「Prompt design strategies」(英語)
- Gemini アプリ ヘルプ「カスタム Gem 作成のヒント」
