海外のお土産として、ソーセージ、ハム、ビーフジャーキーなどの肉製品は、ほとんどが日本に持ち込めません。果物や野菜も、国や種類によって持ち込めないものが多く、持ち込めるものでも輸出国の政府機関が発行した検査証明書と、空港での検査が必要です。

「真空パックだから」「加熱してあるから」「免税店で買ったから」「自分で食べる少しだけだから」という理由では、持ち込めるようにはなりません。この記事では、農林水産省の動物検疫所と植物防疫所の案内をもとに、ルールと空港での手続きを整理します。

肉製品は「検査証明書」がないと持ち込めない

動物検疫所によると、海外では口蹄疫やASF(アフリカ豚熱)などの家畜の病気が多くの国で発生しています。おみやげや個人で食べる分の畜産物は、検査証明書を取るのが難しいため、肉製品や動物由来の製品のほとんどは、日本へ持ち込むことができないとしています。

動物検疫の対象になるのは、牛・豚・羊・山羊・鹿などの偶蹄類、馬、鶏やあひるなどの家きん、犬、兎、みつばちに由来する次のようなものです。

  • 肉・臓器:生、冷蔵、冷凍、加熱調理済みの加工品など、どんな形でも対象。例として、ジャーキー、ハム、ソーセージ、ベーコン、肉まんが挙げられています
  • 卵(殻も含む)
  • 骨、脂肪、皮、毛、羽など
  • これらを原料とする加工品

日本に持ち込むには、①動物検疫の対象かどうか、②その国・地域からの輸入が禁止・停止されていないか、③輸出国の政府機関が発行した検査証明書があるか、を確かめたうえで、④日本に着いた空港や港の動物検疫カウンターで検査を受ける必要があります。

動物検疫所は、オーストラリアやニュージーランドなどでは、日本向けの検査証明書を付けて売られている製品もあると説明しています。ただし、検査証明書には決められた証明文と承認マークの両方が必要です。また、持ち込める製品でも、検査の前に開封すると持ち込めなくなるので注意しましょう。

よくある誤解

動物検疫所のよくある質問では、次のように説明しています。

よくある考え 動物検疫所の答え(要約)
真空パックの市販品なら大丈夫 真空パックでも、輸入禁止・停止のものや、検査証明書がないものは持ち込めない
加熱してあれば大丈夫 加熱していても同じく持ち込めない
免税店で「持ち込める」と言われた 免税店で買ったものでも同じく持ち込めない
自分で食べる少しの量なら大丈夫 おみやげや個人で食べる少量でも同じく持ち込めない
アメリカのビーフジャーキーなら大丈夫 アメリカ(ハワイ、グアム、サイパンを含む)とカナダで売られているビーフジャーキーなどの牛肉加工製品は、引き続き輸入停止

違法に持ち込んだ場合は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(法人は5,000万円以下の罰金)の対象になります。動物検疫所は、悪質な事例は警察に通報していて、逮捕された人もいるとしています。

チーズ・はちみつ・魚の干物はどうなる?

肉以外の食品は、扱いが分かれます。

  • 乳製品(チーズ、バターなど):動物検疫所の案内では、手荷物(携帯品)として持ち込む乳製品は、動物検疫の対象から除かれています。ただし、販売用や10kgを超えるものは、検査証明書を取るのが望ましいとしています
  • はちみつ:動物検疫の対象になる「みつばち」には、はちみつは含まないと書かれています
  • 魚の干物、肉の入っていない魚団子:動物検疫の対象ではありませんが、肉製品が入っていないかを家畜防疫官が確認する場合があります。迷うときは、原材料表などを用意して、使う空港の動物検疫所に問い合わせるよう案内しています

肉のエキスや肉が入った加工食品は、「肉を原料とする加工品」に当たる場合があります。原材料に肉が入っている食品は、自己判断せずに動物検疫所に確認しましょう。

なお、ジャムやはちみつ、ソフトタイプのチーズなどを飛行機の機内に持ち込むときは、検疫とは別に液体物のルールがあります。ジャムや味噌は機内に持ち込める?飛行機でお土産を持ち帰るときの液体ルールもあわせて確認してください。

果物・野菜・ナッツなど植物の場合

植物防疫所によると、海外から植物を持ち込むときも、**輸出国の政府機関が発行した検査証明書(Phytosanitary Certificate)**を付けて、輸入検査を受ける必要があります。少量の手荷物やネット通販の個人輸入でも例外ではありません。

  • 対象になる植物には、果物、野菜、穀物、豆類、切り花、種子、苗のほか、植物を原料とした加工品の一部(ドライフラワーなど)も含まれます
  • 国・地域や植物の種類によって、持ち込みが禁止されているものがあります。植物防疫所は、東南アジアの果物は持ち込めないものが多いとしています。持ち込める例としては、パインアップル、ココナッツ、ドリアンが挙げられています(この場合も検査証明書と検査が必要)
  • 一方で、検査証明書が要らないもの(検査は必要)や、検査証明書も検査も要らないものもあります
  • 免税店で買った植物も、検査は免除されません

自分のお土産が持ち込めるかどうかは、植物防疫所の「旅行者用簡易検索情報」や「輸出入条件検索」で、国と品目から調べられます。検査証明書がない植物は廃棄処分になり、検査を受けずに持ち込んだ場合は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります。

空港での手続き

日本に着いたら、次の順番で進みます。

  1. 入国審査のあと、税関検査の前に、税関検査場の中にある「動物検疫カウンター」「植物検疫カウンター」で検査を受ける
  2. 検査証明書があれば、防疫官に見せる。植物は合格すると「植物検査合格証印」が押され、これがないと税関検査を受けられない
  3. 税関に出す申告書の、肉製品や動植物の持ち込みについての質問に、正しく答える

植物防疫所によると、植物の検査はほとんどが短時間で終わり、手数料はかかりません。もし申告せずに果物などを持ち込んでしまった場合は、すぐに最寄りの植物防疫所に連絡するよう案内しています。

買う前の確認の順番

海外で食品のお土産を買う前に
  1. 肉や卵、またはそれを原料にした加工品?(ソーセージ、ジャーキー、肉まんなど)

    • はい → 日本向けの検査証明書が付いていなければ買わない。付いていても、その国からの輸入が止まっていないかを動物検疫所のページで確認する。
    • いいえ → 次へ。
  2. 果物・野菜・ナッツ・種・切り花などの植物?

    • はい → 植物防疫所の「旅行者用簡易検索情報」で、国と品目を調べる。検査証明書が必要なら、現地の政府機関で取る。
    • いいえ(お菓子・チーズ・はちみつなど) → 原材料に肉が入っていないかを確認する。
  3. 判断に迷う?

    • 迷う → 原材料表を用意して、動物検疫所・植物防疫所に問い合わせる。帰国時は検疫カウンターで見せる。
    • 迷わない → 機内に持ち込む場合は液体物のルールも確認する。

肉や果物を避けるなら、パッケージに入った日持ちするお菓子が選びやすくなります。選び方は日持ちするお土産の選び方|賞味期限・個包装・持ち運びや職場に配るお土産の選び方|個包装・アレルギー表示・日持ちで紹介しています。

参照情報

以下はいずれも2026年10月30日確認。持ち込みが禁止・停止されている国・地域は、家畜の病気の発生状況などによって変わります。旅行の前に最新の情報を確認してください。