災害への備えというと食料や水が思い浮かびますが、停電した夜に困らないためには、明かり(懐中電灯)、情報(携帯ラジオ)、**電源(予備の電池やバッテリー)**の3つの道具も欠かせません。内閣府や消防庁の資料でも、懐中電灯・携帯ラジオ・予備の電池は、非常用の持ち出し品の例として挙げられています。
この記事では、内閣府・消防庁・首相官邸の資料をもとに、防災用に備えておきたい道具と、置き場所・点検のしかたを整理します。
公的な資料が挙げている道具
内閣府の「防災情報のページ」では、持ち出し品の例として、飲料水、非常食、軍手、常備薬、懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、洗面用具などをリュックサックに入れ、貴重品と一緒に持ち出せるようにしておくよう案内しています。
消防庁の「非常用持出品チェックシート」でも、「避難用具」として次のものが並んでいます。
| 分類(チェックシートより) | 主なもの |
|---|---|
| 避難用具 | 懐中電灯、携帯ラジオ、予備の乾電池、ヘルメット・防災ずきん |
| 生活用品 | 厚手の手袋、毛布、缶切り、ライター・マッチ、ナイフ、携帯用トイレ |
| 救急用具 | 救急箱、処方箋の控え、持病の薬など |
| 非常食品 | 乾パン、缶詰、栄養補助食品、飲料水など(最低3日分) |
| 貴重品類 | 現金(10円玉)、預金通帳、印鑑、保険証、免許証 |
道具は**「持ち出す袋に入れるもの」と「家に備えておくもの」**に分けて考えると整理しやすくなります。
明かり:懐中電灯は1人に1つ
消防庁のチェックシートでは、懐中電灯はできれば1人に1つ用意したいとしています。夜に停電すると、家族それぞれがトイレに行く、物を探すといった場面で明かりが必要になるからです。
また、首相官邸の防災のページでは、大地震に備えて家具を固定するなどの対策と合わせて、手の届くところに懐中電灯やスリッパ、ホイッスルを備えておくよう呼びかけています。寝室の枕元など、暗い中でもすぐ手に取れる場所に置いておきましょう。
両手を使いたい場面では、頭に付けるヘッドライトも選択肢になります。どのタイプでも、使う電池の種類(単3形・単4形など)をそろえておくと、予備の電池を共通にできます。
情報:携帯ラジオ
停電するとテレビが見られず、スマホも電池が減れば使えなくなります。内閣府や消防庁の資料では、携帯ラジオも持ち出し品の例に入っています。内閣府の南海トラフ地震に関する住民向けのチェックリストでも、携帯ラジオや携帯電話の予備バッテリーなどを準備することが挙げられています。
ラジオを選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 電源の種類:乾電池式なら、懐中電灯と電池をそろえられるか
- 受信できる放送:AM・FMのどちらを聞けるか。地元の放送局の周波数も控えておく
- 大きさ:持ち出し袋に入るか
手回し発電や太陽光で充電できるタイプもあります。使い方や、スマホへの充電にどこまで使えるかは製品ごとに違うので、メーカーの仕様で確認してください。
電源:予備の電池とモバイルバッテリー
懐中電灯とラジオを使い続けるには、予備の乾電池が必要です。消防庁のチェックシートでも、予備の乾電池が避難用具に入っています。
スマホは、災害時の連絡や情報収集に使います。内閣府の住民向けチェックリストにあるとおり、携帯電話の予備バッテリーも用意しておくと安心です。モバイルバッテリーは、ふだんから使って充電しておけば、いざというときに電池切れになっていることを防げます。選び方はモバイルバッテリーの選び方|容量より先に見ること、具体的な製品の違いは10000mAhクラスのモバイルバッテリーを比較|3台同時・ケーブル一体型・マグネット式で紹介しています。
また、首相官邸のページでは、家族と連絡がとれないときに備えて、災害用伝言ダイヤル(171)や災害用伝言板の使い方を確認しておくよう案内しています。毎月1日・15日などに体験利用ができるので、スマホの充電と合わせて試しておきましょう。
置き場所と点検
懐中電灯は、家族の人数分ある?
- ない → 1人に1つを目安にそろえる。寝室の手の届くところにも置く。
- ある → 次へ。
ラジオと懐中電灯の電池の種類はそろっている?予備はある?
- そろっていない・予備がない → 電池の種類を確認して、予備を用意する。
- ある → 次へ。
持ち出し袋は、すぐに持ち出せる場所にある?
- ない → 玄関など、持ち出しやすい場所に置く(消防庁のチェックシートの案内)。
- ある → 日にちを決めて、電池・バッテリー・食品の期限を点検する。
点検の日を決めておくと、電池切れや期限切れに気づけます。たとえば、首相官邸のページで災害用伝言サービスの体験日として挙げられている毎月1日・15日や、**防災週間(8月30日〜9月5日)**などに合わせる方法があります。
道具と一緒に考えたいこと
首相官邸のページでは、道具の備えのほかに、家具を壁に固定すること、飲料水を1人1日3リットル・3日分を目安に備えること、ハザードマップで避難場所や避難経路を確認することも挙げています。道具をそろえたら、こうした備えも順番に見直していきましょう。
参照情報
以下はいずれも2026年10月24日確認。この記事では特定の商品はおすすめしていません。
- 首相官邸「事前防災でいのちを守ろう 災害が起きる前にできること」
- 内閣府 防災情報のページ「自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!」
- 内閣府「地震への備えの再確認や取るべき行動のチェックリスト(住民編)」(PDF)
- 消防庁「非常用持出品チェックシート」(PDF)
