家具の組み立てでネジを締めるのが主な目的なら、まず候補になるのは手のひらサイズの電動ドライバーです。締める力は控えめですが、軽くて扱いやすく、家具の組み立てを想定した製品もあります。棚を壁に付ける、木材に穴をあけるなど、組み立て以外の作業もしたいなら、締める強さを調整できるドリルドライバーが向いています。

この記事では、名前が似ていて迷いやすい「電動ドライバー」「ドリルドライバー」「インパクトドライバー」の違いを、メーカーが公開している仕様をもとに整理します。

3つの工具の違い

電動ドライバー(ハンディ型) ドリルドライバー インパクトドライバー
主な用途 小さなネジの締め・ゆるめ ネジ締めと穴あけ 長いネジ・太いネジの締め付け
締め付けの強さ(最大トルク)の例 5.5N・m 76N・m 215N・m
締める強さの設定 製品による 細かく設定できる(例:20段階) 例では2段階
穴あけ 基本的に向かない(別売アダプターで対応する製品も) 得意(例:木材に35mmまで) 主な用途ではない(先端は六角軸のビット用)
大きさ・重さ 小さく軽い 製品による(例:バッテリー別で1.06kg) 製品による

表の数値は、ボッシュの製品(電動ドライバー「IXO 7」、ドリルドライバー「GSR 18V-65」、インパクトドライバー「GDR 18V-215」)の公式の仕様から例として引いたものです。同じ種類でも製品によって大きく違うので、選ぶときは製品ごとの仕様表を確認してください。

トルク(N・m)とは

トルクは、ネジを回す力の強さを表す数値で、単位はN・m(ニュートンメートル)です。数値が大きいほど、長いネジや硬い材料にも締め込めます。ただし、家具の組み立てでは強ければよいわけではありません。力が強すぎると、ネジを締めすぎて板を傷めることがあります。

電動ドライバー(ハンディ型)

手で持つドライバーに近い形・大きさの、小型の電動工具です。ボッシュの「IXO 7」の場合、最大締付トルクは5.5N・m、ネジ締め能力は木ネジで直径5mm×長さ45mmまでと公表されています。ボッシュは、大きなサイズの組み立て家具でも作業しやすいように、従来機種より最大トルクを20%高めたと説明しています。

向いている作業

  • 組み立て家具のネジ締め
  • 家電や小物のネジの付け外し

注意点

  • 長いネジや硬い木材への締め込みは苦手
  • 穴あけは基本的にできない(別売のアタッチメントで対応する製品もある)

ドリルドライバー

ネジ締めと穴あけの両方に使える工具です。先端にドリルの刃(ビット)をはさむチャックがあり、さまざまな太さのビットを付けられます。ボッシュの「GSR 18V-65」は、チャックで直径1.5〜13mmのビットをはさめ、木材に35mmまでの穴をあけられると公表されています。

いちばんの特徴は、締める強さを段階的に設定できることです。GSR 18V-65では20段階の設定があります。一般に、設定した強さに達すると先端の回転が空回りする仕組み(クラッチ)になっていて、締めすぎを防ぎやすくなります。変速も2段階あり、ゆっくり回す設定と速く回す設定を切り替えられます。

向いている作業

  • 家具の組み立て(締める強さを弱めに設定して使う)
  • 棚や金具を取り付けるための穴あけ・下穴あけ
  • DIYで木材を加工する作業全般

注意点

  • ハンディ型の電動ドライバーより大きく重い(GSR 18V-65はバッテリーを除いて1.06kg)
  • 設定の段階や回転の速さを使い分ける必要がある

インパクトドライバー

回転に加えて、たたくような打撃を加えながらネジを締める工具です。ボッシュの「GDR 18V-215」では、最大トルク215N・m、1分あたり最大3,800回の打撃と公表されています。長いネジや太いネジを、硬い材料にしっかり締め込む作業に向いています。

ただし、力が強いぶん、組み立て家具のような薄い板や、軽く締めればよいネジでは締めすぎに注意が必要です。GDR 18V-215の締める強さの設定は2段階で、例に挙げたドリルドライバー(20段階)ほど細かくはありません。家具の組み立てだけが目的なら、最初の1台として選ぶ必要はありません。

家具の組み立てならどれを選ぶ?

家具の組み立て用に選ぶなら
  1. 使うのは、組み立て家具や小物のネジ締めがほとんど?

    • はい → 軽くて扱いやすいハンディ型の電動ドライバーが候補。ネジの数が多い家具でも手が疲れにくくなります。
    • いいえ → 次へ。
  2. 棚の取り付けや、木材への穴あけもしたい?

    • はい → 締める強さを調整できるドリルドライバーが候補。
    • いいえ(長いネジを硬い材料に打つ作業が多い) → インパクトドライバーも検討。家具の組み立てに使うときは締めすぎに注意しましょう。

組み立てで失敗しないためのコツ

  • 家具の説明書を先に読む:電動工具を使ってよいか、締め方の注意があるかを確認する
  • 弱い設定から始める:ドリルドライバーなら、締める強さを低い段階に設定し、足りなければ少しずつ上げる
  • 最後は様子を見ながら締める:一気に締め込まず、ネジがまっすぐ入っているかを確かめる
  • ビットのサイズを合わせる:ネジの頭の形・大きさに合わないビットを使うと、ネジ山がつぶれる原因になる

モニターアームの取り付けなど、机まわりで工具を使う場面はモニターアームの選び方|机の厚さ・モニターの重さ・VESA規格でも紹介しています。机まわりの道具を少しずつそろえる考え方はデスク周りは、一度にそろえない。不便をひとつ減らす道具選びへ。

よくある疑問

電動ドライバーがあれば、手回しのドライバーはいらない?

小さなネジや、最後に少しだけ締めたいときは、手回しのドライバーのほうが加減しやすい場面もあります。両方あると便利です。

バッテリーは別売り?

製品によって、バッテリーと充電器が付属するセットと、本体だけの販売があります。購入前に、セット内容を確認しましょう。今回例に挙げたIXO 7は、バッテリーを本体に内蔵しています。

賃貸の部屋で使っても大丈夫?

家具の組み立ては問題になりにくいですが、壁への穴あけは賃貸の契約で禁止されていることがあります。壁に何かを取り付ける前に、契約内容を確認しましょう。

参照情報

以下はいずれも2026年10月15日確認。製品は仕様の例として挙げたもので、特定の製品をすすめるものではありません。