ガスこんろの事故を防ぐポイントは、①衣服と炎の距離を意識して近づき過ぎない、②使っているときと使った後に点火・消火を確認し、離れるときは必ず火を消す、③こんろやグリルの汚れを放置しない、④ペットがいる家では、出かけるときに元栓を閉めて操作ボタンをロックする、の4つです。
NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)は2026年1月、厚手の服を着る冬に多い「着衣着火」などへの注意を呼びかけました。この記事では、その資料をもとに、事故の傾向と防ぎ方を整理します。
ガスこんろの事故の傾向
NITEによると、2020年から2024年までの5年間にNITEに通知されたガスこんろの事故は152件で、そのうち111件が火災でした。死亡事故も7件起きています。原因が分かった事故のうち、誤使用や不注意によるものが約7割を占めています。
誤使用・不注意による事故で多かったのは、次のようなものです。
| 事故の内容(NITEの資料より) | 件数 |
|---|---|
| 火の消し忘れ、火を消さずに離れた | 17 |
| 近くの可燃物(衣服以外)に火がついた | 13 |
| こんろやグリルを誤って点火した | 8 |
| こんろやグリルの汚れを放置した(吹きこぼれでガス管が腐食、グリル内の汚れが発火など) | 8 |
| 炎が衣服に燃え移った(着衣着火) | 4 |
| ペットが操作ボタンを押して点火した | 4 |
| 掃除の手間を減らすため、取扱説明書で禁止された使い方をした | 4 |
また、NITEが紹介している消防庁のデータでは、着衣着火で毎年100人前後が亡くなっていて、「たき火」の次に「炊事中」の事故が多いとしています。
1. 衣服と炎の距離を意識する
NITEによると、ガスこんろの炎は目に見えている部分の外側にも広がっているため、見えている炎から離れていても火がつくおそれがあります。冬は重ね着で服が厚くなり、服が熱くなったり火がついたりしても気付きにくくなります。
毛羽立った服に火がつくと、表面を炎が一気に広がる「表面フラッシュ現象」が起きることがあり、髪などに燃え移るおそれもあります。
NITEが挙げている対策は次のとおりです。
- 鍋やかんの大きさに合わせて火力を調節し、鍋の底から炎がはみ出さないようにする
- こんろの奥に物を置かない。奥の調味料などを取るときは、必ず火を消してから
- マフラーやスカーフなど垂れ下がるものは外す。袖や裾が広がった服、毛足が長い・毛羽立った服、ひもが付いた服はできるだけ避ける
- エプロンやアームカバーで袖や裾の広がりを抑える。難燃・防炎の素材は火がつきにくく、燃え広がりにくい
- こんろに背を向けて棚を開けるなど、背を向けて作業するときも炎に近づかないようにする
NITEは、消防庁のデータでは着衣着火による死亡は65歳以上に多いとしています。また、白内障が進むと、ガスの青い炎が見えにくくなるので特に注意するよう呼びかけています。
2. 点火・消火を確認し、離れるときは火を消す
火の消し忘れや、火を消さずに離れたことによる事故が最も多くなっています。その場を離れるときは必ず火を消し、使っているときと使った後は点火・消火の状態を確認しましょう。こんろとグリルの操作ボタンを押し間違える事故も起きています。
3. こんろやグリルの汚れを放置しない
- 吹きこぼれや煮こぼれは、きれいに拭き取る
- グリルの受け皿にたまった脂や、焼き網についた食材は、使うたびに取り除く
- 掃除の手間を減らすために、取扱説明書で禁止されていることをしない
NITEの事故例では、グリルにアルミ箔を敷いたことで熱がこもり、たまった脂が発火した事故が紹介されています(取扱説明書には、脂が多く出る調理では焼き網の上や下にアルミ箔を敷かないよう書かれていました)。また、こんろの下に新聞紙などの燃えやすいものを敷かないよう注意しましょう。
4. ペットがいる家では、元栓とボタンのロック
ペットが操作ボタンを押して火がつき、火災になる事故も起きています(NITEは「もふもふプッシュ」と呼んでいます)。NITEの事故例では、飼い主の外出中に犬が操作ボタンを押し、近くの燃えやすいものに火がついて火災になりました。
- 出かけるときはガスの元栓を閉め、操作ボタンをロックする機能があれば使う
- こんろの近くに、ペットの気を引くもの(えさなど)を置かない
調理前の確認の順番
袖や裾が広がった服、毛羽立った服、マフラーなどを身に着けていない?
- 着けている → マフラーなどは外し、エプロンやアームカバーで袖・裾を押さえる。
- 着けていない → 次へ。
こんろの奥や周りに、調味料やふきん、樹脂製品などを置いていない?
- 置いている → 火をつける前に移す。取るときは必ず火を消してから。
- 置いていない → 鍋の大きさに合わせて火力を調節し、炎を鍋底からはみ出させない。
使い終わった・その場を離れる?
- はい → 火が消えたことを確認する。ペットがいる家で出かけるときは、元栓を閉めてボタンをロックする。
あわせて確認したいこと
NITEは、誤使用による事故を防ぐ機能を持つ製品には、国の「+あんしん(プラスあんしん)」のロゴマークが表示されているとしています。買い替えるときの参考にできます。
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参照情報
以下はいずれも2026年11月7日確認。
- NITE(製品評価技術基盤機構)「冬の“もふもふ”接近注意報!~ガスこんろの事故で気を付けたい4つのポイント~」(2026年1月29日、発表資料はPDF)
