電源プラグやコード、コンセント、延長コードが原因の事故を防ぐには、①プラグの変形・変色、②プラグのほこり、③コードの傷み・硬化、④差し込んだときのゆるみ、⑤つないだ機器の合計W数、の5つを点検しましょう。一般的な家の壁のコンセント(2口)は、2口の合計で1500Wまでが目安です。
NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)は、プラグ・コード・コンセントの事故への注意を呼びかけています。この記事では、その資料をもとに、多い原因と点検のポイントを整理します。暖房器具など消費電力の大きい家電を使い始める冬の前に、一度確認しておくと安心です。
事故の8割以上が火災につながっている
NITEによると、2019年から2024年までの6年間にNITEに通知された、家電の電源コードの根元からコンセントまで(延長コードやテーブルタップを含む)が原因の事故は219件でした。そのうち182件が火災で、事故の8割以上を占めています。死亡事故も起きています。
原因の内訳は次のとおりです(製品自体が原因の事故は除く)。
| 場所 | 多かった原因(NITEの資料より) |
|---|---|
| 電源コード(110件) | 曲げるなどの力で半断線して異常発熱(95件)、自分で修理して接触不良(14件) |
| コンセント・電源タップ(56件) | 差し込んだプラグとの接触不良(23件)、内部に入った水分などによるトラッキング現象(21件)、最大消費電力を超える機器をつないだ(6件) |
| 電源プラグ(53件) | 可動式プラグの変形や内部の破損(20件)、ほこり・水分によるトラッキング現象(16件) |
トラッキング現象とは、プラグのすき間などにたまったほこりや水分によって電気の通り道ができ、異常に熱くなる現象です。
5つの点検ポイント
1. 電源プラグが変形・変色していないか
プラグを踏んだり、コードを持って抜いたり、斜めに力任せに引き抜いたりすると、プラグの刃が変形したり、内部が壊れたりすることがあります。変形すると、コンセントとうまく接触せず、熱を持つおそれがあります。
変形や焦げがある、プラグが異常に熱いときは使うのをやめて、メーカーや販売店に相談しましょう。
2. 電源プラグにほこりがたまっていないか
プラグは、コンセントとの間にすき間ができないよう、奥までしっかり差し込みます。すき間があると、ほこりがたまり、湿気でトラッキング現象が起きるおそれがあります。家具の後ろなど、見えない場所のコンセントも定期的に確認しましょう。
掃除するときは、必ずプラグを抜いてから、乾いた布でから拭きします。NITEは、コンセントや電源タップの差込口にアルコールスプレーなどの洗浄液を直接かけると、ショートやトラッキング現象のおそれがあるとしています。
3. 電源コードが傷んだり、硬くなったりしていないか
コードを折り曲げる、踏む、引っ張る、強く巻き付けるといった使い方をすると、中の線が切れかけて(半断線)、熱を持ったり発火したりするおそれがあります。
- 机やいすの脚でコードを踏んでいないか、足に引っかかる場所を通していないか確認する
- プラグを抜くときは、コードではなくプラグを持つ
- コードは本体側とプラグ側の根元で切れやすいので、被覆のひび割れや裂け目を確認する
- 長く使ったコードは硬くなり、ひび割れやすくなる。硬くなっていないかも確認する
NITEの事故例では、掃除機のコードを引っ張ってプラグを抜くことをくり返していたため、根元で線が切れて焼損した事故が紹介されています。
4. 差し込んだときにゆるくないか
抜き差しをくり返したり、変形したプラグを使ったりすると、コンセントやタップの中の金具が広がり、接触が悪くなって熱を持つことがあります。差し込んだプラグを前後に傾けるとぐらつく、すぐ抜けてしまう場合は、メーカーや販売店に相談しましょう。
5. つないだ機器の合計W数が上限を超えていないか
テーブルタップなどには、**つなげる最大の消費電力(W)または定格電流(A)**が決められていて、本体やパッケージに書かれています。超えると発熱し、発火などの事故につながります。
NITEの資料では、壁のコンセント(2口)は2口の合計で1500Wまでが一般的としています。たとえば、片方に1000Wの家電をつないだら、もう片方は500Wまでです。オーブントースター(1200W)と電気炊飯器(1240W)を同時に使うと合計2440Wになり、これを超えてしまいます。
また、消費電力の大きい家電の中には、テーブルタップの使用を禁止しているものがあります。家電の取扱説明書や本体の表示を確認しましょう。
点検の順番
プラグに変形・焦げがある?触ると異常に熱い?
- ある → 使うのをやめて、メーカーや販売店に相談する。
- ない → 次へ。
プラグのまわりにほこりがたまっている?奥まで差し込まれている?
- ほこりがある → プラグを抜いて、乾いた布でから拭きする。奥まで差し込み直す。
- きれい → 次へ。
コードが家具に踏まれていない?束ねたり、強く巻いたりしていない?硬くなっていない?
- 問題あり → 配線を直す。傷んだコードは使わない。
- 問題なし → 次へ。
同時に使う家電の合計W数は、タップや壁のコンセント(2口で1500W)の上限以内?
- 超える → 別のコンセントに分ける。取扱説明書でタップの使用が禁止されていないかも確認する。
- 以内 → 点検完了。季節の変わり目などに、また確認する。
あわせて確認したいこと
NITEは、過去の事故情報やリコール情報も確認するよう呼びかけています。持っている製品がリコールの対象になっていないかは、「消費者庁リコール情報サイト」やNITEの「NITE SAFE-Lite」で調べられます。
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参照情報
以下はいずれも2026年11月4日確認。
- NITE(製品評価技術基盤機構)「汚れ、踏まれ、引っこ抜かれる~『プラグ・コード・コンセントの事故』で気をつけるポイント~」(2025年7月31日、発表資料はPDF)
- 消費者庁「消費者庁リコール情報サイト」
