大学の講義や外出先で、PCとスマホをコンセント1口から同時に充電したい。そんなときは、充電器に書かれた「最大100W」だけで選ばず、2台をつないだときにPC側へ何W残るかを確認してください。MacBook Airなどで軽い作業が中心なら65W級、PCの必要電力が高めか使い方が決まっていないなら100W級、PCに100Wを渡しながらスマホも充電したいなら140W級が候補になります。

この記事は、USB-Cから充電できるノートPCを対象に、Ankerの3製品をメーカー公表の仕様で比べます。筆者が実機で充電速度を測ったものではありません。PCの型番や付属充電器のW数が分かれば、さらに確実に絞れます。1台にまとめられるかどうかの考え方は「スマホとノートPCを1台で充電するには?」で詳しく解説しています。

先に確認するのは、PCの充電方式と必要電力

PCにUSB-C端子があっても、その端子から充電できるとは限りません。メーカーの仕様書で「USB Power Delivery(USB PD)」での充電に対応しているかを確認します。丸い専用の電源端子だけで充電するPCや、専用の高出力アダプタが前提のゲーミングPCは、この記事の充電器に置き換えられないことがあります。

次に、付属のACアダプタに書かれたW数を見ます。たとえば65Wのアダプタが付属するPCをスマホと同時に充電する場合、PC側に45Wしか配られない製品では、使いながらの充電が遅くなったり、負荷によっては残量が減ったりすることがあります。低いW数でも充電できることと、付属品と同じ感覚で充電できることは別です。

Appleも、機種ごとに推奨するW数以上のアダプタを案内しています。MacBook Airはモデルによって30W・35W・67W・70Wと推奨が異なるため、「MacBookなら65Wで十分」とひとまとめにはできません。

最大出力より「2台接続時の配分」を見る

図解。65W級はPC45Wとスマホ20W、100W級は70Wと30Wまたは95Wと5W、140W級は指定ポートで100Wと40W。数値はメーカー公称の配分で、実際の電力は機器や充電状態で変わる

次の表は、2026年9月27日にAnker Japan公式オンラインストアで確認した価格と、メーカー公称の仕様です。PCとスマホをUSB-C同士で2台つないだ場合を比べています。表の数値は充電器側が出せる最大の配分で、端末が常にその電力を受け取るという意味ではありません。

製品 PC+スマホの公称配分 PCだけを充電 重さ 公式価格(税込)
Anker PowerPort III 3-Port 65W Pod with USB-C & USB-C ケーブル 45W+20W USB-C最大65W 約130g 6,990円
Anker Charger (100W, 3 Ports) with USB-C & USB-Cケーブル 70W+30W(条件により95W+5W) USB-C1/C2最大100W 約220g 9,990円
Anker Charger (140W, 4 Ports) with USB-C & USB-C ケーブル C1/C2+C3なら100W+40W。C1+C2なら70W+70W USB-C1/C2最大140W 約275g 12,990円

価格は販売元や時期で変わります。Amazonなどほかの販売店では価格が異なるため、購入前に販売ページで確認してください。

100W級の「95W+5W」は、Ankerの説明によると、もう一方のポートの機器がほとんど電力を使っていない(充電の条件が成立しない)状態が続いたときに切り替わる配分です。つまり、充電が終わりかけたスマホやワイヤレスイヤホンをつないでいるときに、PC側へ多く回す仕組みです。140W級はポートの組み合わせが大事で、PCをC1かC2、スマホをC3につなぐと100W+40W、C1とC2の2口を使うと70W+70Wになります。

荷物を軽くしたいなら65W級

Anker PowerPort III 3-Port 65W Podは約130gです。PCだけならUSB-Cで最大65W、USB-Cを2口使うと45W+20Wになります。講義中にPCで資料を読んだり文書を作ったりしながらスマホもつなぐ、という使い方で、PCへの45Wで困らない人には選びやすい製品です。

一方、PCの付属アダプタが65W以上で、負荷の高い作業をしながらスマホも充電したい人には慎重におすすめします。2台つないだときのPC側は最大45Wだからです。対応機種の一覧に載っていても、付属の充電器と同じ速さで充電できるとは限りません。

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使い方の幅が広い100W級

Anker Charger (100W, 3 Ports)は、USB-Cが2口、USB-Aが1口です。PCだけならUSB-C1/C2で最大100W、USB-C 2口を同時に使うと70W+30Wが基本です。MacBook Airなどとスマホをまとめたい人、将来もう少し電力が必要なPCに替えるかもしれない人の第一候補になります。

ただし、2台同時の基本の配分ではPC側は70Wです。付属アダプタが90W以上のPCを、スマホと一緒に使いながら充電したいなら、次の140W級のほうが条件を読み取りやすくなります。重さは約220gで、65W級より約90g重くなります。

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PCに100Wを確保したいなら140W級

Anker Charger (140W, 4 Ports)は、USB-Cが3口、USB-Aが1口です。PCをC1かC2、スマホをC3につなぐと、公称100W+40Wになります。付属アダプタが90〜100W程度のPCとスマホを一緒に使う場面なら、100W級との価格差に意味があります。

その代わり約275gで、65W級より約145g重くなります。「PCだけなら最大140W」という数字も、スマホをつないだままPCに140Wを送れるという意味ではありません。16インチMacBook Proの高速充電など、140Wが目的の場合は、対応機種とケーブルの条件をAppleの案内でも確かめてください。

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購入前に見落としやすい3点

使うポートを決めておく。 140W級で100W+40Wにするなら、PCはC1/C2、スマホはC3です。同じUSB-Cでも、差し込む場所で公称の配分が変わります。

ケーブルも確認する。 60Wを超える給電には、5A対応(100Wや240Wと表示)のUSB-Cケーブルが必要です。60W対応のケーブルでは、充電器が100W対応でもケーブル側が上限になります。100Wを超える給電には240W対応のケーブルを選びます。ケーブルの見分け方は「USB-Cケーブルの見分け方」にまとめています。スマホがLightning端子なら、USB-C-Lightningケーブルが別に必要です。

PCの付属品と比べる。 45Wで充電するPCに140Wの充電器を使っても、PCが140Wで充電されるわけではありません。PDで必要な電力をやり取りする仕組みは「USB PDとは?」で説明しています。反対に、150Wを超える専用電源が必要なPCを、65Wや100Wの製品でまかなえると考えるのは避けてください。PC用の充電器をすでに持っていて、スマホと同時に充電する場面が少ないなら、スマホ用の小型充電器を使い続けるのも合理的です。

どれを選ぶか

  • 65W級:持ち歩きの軽さを最優先したい人。2台同時のときにPC側45Wでも困らない人。
  • 100W級:PCとスマホをまとめたい、一般的な使い方の人。2台同時のPC側は基本70Wです。
  • 140W級:2台同時でもPCに最大100Wを送りたい人。PCはC1/C2、スマホはC3で使います。
  • 今は買わなくてよい人:PCがUSB-C PDでの充電に対応していない人、専用の高出力電源が必要な人、手持ちの充電器で足りている人。

ひとつに絞るなら100W級です。ただし、PCの付属アダプタが90W以上なら、先にPCの型番とUSB-Cでの充電条件を確認してください。授業中の軽い作業と動画編集では、必要な電力が大きく違います。充電器の数字だけで、どのPCでも同じ結果になるとは言えません。

よくある疑問

100Wの充電器をスマホにつないでも壊れない?

USB PDでは、充電器と機器が話し合って給電の条件を決めます。100Wは充電器が出せる上限で、スマホに100Wを流し込むという意味ではありません。端末とケーブルの仕様に合う製品を使ってください。

PCを充電中にスマホを差すと、一瞬充電が止まる?

複数ポートの充電器は、つなぐ機器が増えたときに電力の配分を切り替えることがあります。その瞬間の表示や音だけで故障と決めず、その後に充電が続いているかを確認してください。大事な作業中に抜き差しを減らしたいなら、使う2口を決めておくと安心です。

充電器が熱くなるのは異常?

高い出力で使うと発熱します。布などで覆わず、風通しのよい場所で使ってください。異臭や変形などがあれば使用をやめ、メーカーに相談してください。温度や熱による出力の制御は環境で変わるため、この記事では実測していません。

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