除雪機の事故を防ぐポイントは、①安全機能を無効化しない、②後ろに下がるときは足元と後ろを確認する、③近くに人がいるときは使わず、エンジンをかけたまま離れない、④雪詰まりはエンジンを切って雪かき棒で取る、⑤屋内や換気の悪い場所ではエンジンをかけたままにしない、の5つです。

NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)は2025年11月、雪が本格的に降る前に、除雪機の事故への注意を呼びかけました。この記事では、その資料をもとに、事故の傾向と注意点を整理します。家族や近所の高齢の人が除雪機を使う場合にも、一緒に確認しておきましょう。

事故の9割以上が死亡や重傷に

NITEによると、2015年度から2024年度までの10年間にNITEに通知された、除雪機で人がけがをしたり亡くなったりした事故は38件です。

  • 38件中36件が、死亡や重傷を伴う重大な事故
  • **約8割(38件中29件)**が、使う人の誤使用や不注意によるもの
  • 12月が最も多く(15件)、シーズンの使い始めに特に注意が必要。シーズン前の試運転で事故にあった例もある
  • 被害者の多くが高齢者。新潟県が最も多く、北海道や日本海側の豪雪地帯で多く起きている

事故の内容と件数は次のとおりです。

事故の内容(NITEの資料より) 死亡 重傷 軽傷
除雪機の下敷きになった 13 1 −
オーガ(雪を砕いて集める回転部)に巻き込まれた 5 1 −
除雪機と壁などの間に挟まれた 2 1 −
一酸化炭素中毒になった 2 − −
ブロワ(雪を飛ばす投雪口)に手を入れた − 10 −

安全機能「デッドマンクラッチ」

歩いて操作するタイプの除雪機には、デッドマンクラッチという安全機能があります。NITEによると、操作ハンドルのレバーから手を離すと、自動的にオーガと走行が止まる仕組みです。除雪機安全協議会に加盟するメーカーの歩行型の除雪機では、2004年4月から標準装備になっています。

NITEの事故例では、デッドマンクラッチのレバーを大きな洗濯ばさみで固定して安全機能を無効にし、除雪機から離れてオーガに近づいたときに巻き込まれて亡くなった事故が紹介されています。また、後ろに下がるときの非常停止装置が意図的に取り外されていて、転んだときに止まらずに下敷きになった事故もありました。

5つの注意点

1. 安全機能を無効化しない

レバーを固定する、緊急停止のクリップを付けずに使う、といった安全機能の無効化は絶対にしないでください。転んだときに除雪機が止まらず、下敷きになったり、巻き込まれたりするおそれがあります。

2. 後ろに下がるときは、足元と後ろを確認する

後進するときは、足元や後ろの障害物を確認し、注意して動かします。転んで下敷きになったり、壁などとの間に挟まれたりするおそれがあります。

3. 近くに人がいるときは使わない・エンジンをかけたまま離れない

作業の前に、周りに人がいないことを確認します。背の低い子どもは死角に入りやすいので特に注意が必要です。少しの間でもその場を離れるときは、必ずエンジンを切りましょう。子どものいたずらなどで思わぬ事故になるおそれがあります。

4. 雪詰まりは、エンジンを切って雪かき棒で取る

雪が詰まったときは、エンジンを切り、備え付けの雪かき棒を使って取り除きます。エンジンをかけたまま手で取ろうとすると、回転する刃で手を大けがするおそれがあります。

5. 屋内や換気の悪い場所ではエンジンをかけたままにしない

除雪機の排気には、一酸化炭素が多く含まれています。一酸化炭素は色もにおいもなく、気付きにくい強い毒性の気体です。始動・停止も含めて、風通しの良い屋外で使いましょう。

手で押して動かせない大型の除雪機などは、窓などを開けて十分に換気したうえで、「屋内で始動したらすぐに屋外に出る」「屋内にしまったらすぐにエンジンを切る」ようにするよう、NITEは案内しています。

作業前の確認の順番

除雪機を使う前に
  1. レバーから手を離すと、オーガと走行が止まる?非常停止の装置は付いている?

    • はい → 次へ。
    • いいえ・わからない → 使わずに、取扱説明書を確認し、販売店やメーカーに相談する。
  2. エンジンをかける場所は、風通しの良い屋外?

    • 屋外 → 次へ。
    • 屋内 → 窓などを開けて換気し、始動したらすぐに屋外へ出す。
  3. 周りに人、特に子どもはいない?

    • いない → 作業を始める。後ろに下がるときは足元と後ろを確認。雪が詰まったらエンジンを切って雪かき棒で。
    • いる → 離れてもらってから作業する。離れるときは必ずエンジンを切る。

家族や周りの人の声かけも

NITEは、除雪作業をする人の高齢化で、高齢者の事故が増えていると考えられるとしています。使う人本人だけでなく、離れて暮らす家族や周りの人のサポートや声かけもお願いしたいと呼びかけています。

過去の事故やリコールの情報は、NITEの検索ツール「NITE SAFE-Lite」で調べられます。冬に使う道具や家電の注意点は、電気ストーブ・石油ストーブの火災を防ぐには?可燃物との距離と使い始めの点検や踏み台・足場台の安全な使い方|大掃除の前に確認したい4つのポイントと選び方でも紹介しています。

参照情報

以下はいずれも2026年11月8日確認。